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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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帰ってきた完璧手技 第1回 ガウンテクニック

まずはオペ着に着替えましょう

白衣はロッカーにしまい込んで、さあ未知の世界へ出かけましょう。

「働く男の制服図鑑」という、腐女子向けの制服図鑑では男性の制服で一位は堂々、白衣!!そしてなぜか堂々ビリは手術着…。何故だ。あの微妙な色とパジャマ感が嫌らしい。女心って複雑だにゃぁ。

手洗い

手洗いには数々のローカルルールがあります。病院ごとに方法が違うといっても過言ではありません。どんな方法をしても、とりあえ ず爪を綺麗にして2分以上かけて洗って最後にアルコールを垂らしておけば、細菌数に全く差がないというのは有名なエビデンスです。(逆にブラシを使いすぎ ると皮膚に細かい傷ができてかえって不衛生)が!ねじ子の知ってるだけでもブラシは1回の所から3回の所まで実に様々。無駄だと知りつつもあえてローカルルールに従うのが職人的職場である病院の基本です。偉い先生は清潔、学生は不潔。それが大学病院の基本です。上の先生や看護士さんは、とりあえず「学生はなんか失敗をするんじゃないか」と常に目を光らせてますので気をつけましょう。

いよいよガウンを着ましょう。

なぜオペ着は青緑色なのか

オペレーターが見つめている術野は、血の色つまり赤黒い色をしてます。ずっと赤い色ばかりを見ていて、ふと白い壁に見をそらすと、壁に青緑色の残像が見え ます。皆さんもやってみましょう。ずーっと赤い林檎を見る。そしてふっと白い紙に目をそらすと、紙に赤の補色である緑色のマルが、浮かんで見えるはずで す。これを「補色残像現象」と呼びます。白いものが緑色に見えると、とってもキモチ悪い。だから、緑に見えても良いように、周りのものすべてを青緑色で埋 めているのです。まさに目を疲れさせないための先人の知恵なのですね。さらにこれに、「青緑の布は清潔の印」という意味を持たせて臨床では活用しておりま す