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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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また会いましょう

 大前研一さんの動画を見るまで、私の頭の中での「最悪の予想」は、福島第一原子力発電所の炉が一つでもダメになったら、もう誰も近づけなくなって、6本のロウソクのように、燃料が無くなるまで6つの火が燃え続けるイメージでした。または、『博士の異常な愛情』のラストシーンのように、ボーン!ボーン!ボーン!と6連発で爆発が起こり(まぁ実際は3つ爆発しましたが)、近づけなくなった福島第二も同様に爆発し、東日本は死の土地になり、なぜか政府閣僚だけは核シェルターの中で生き残る、という。

 『博士の異常な愛情』のラストシーンは、世界中で水爆が爆発し、地上が滅亡する中、ミスマッチなほど甘い甘い曲(ヴェラ・リンの『We’ll meet again(また会いましょう)』)が流れます。歌詞は「また会いましょう。どことも知らず、いつともわからないけれど、いつかまた晴れた日に会いましょう。」核シェルターにもぐって放射線が減少するのを100年間待つ「選ばれた」人々が、残された地上の人々に贈る歌だと、解釈できます。ああ、なんていう痛烈な皮肉でしょう。 私の頭の中では、何日もその曲が流れ続けていました。

 もちろん、そのような状況になるわけないことは、よくわかっています。しかし、『博士の異常な愛情』を見た大学生当時の私は、核戦争による人類滅亡の恐怖を実感すること、そしてそれを強烈なブラックジョークでいっそ清々しく、達観したように笑い飛ばす感覚を、まったく理解できませんでした。今なら違った心持ちで、あの映画を楽しむことができそうです。2011/4/13

ねじ子の参考サイト@福島原発事故による放射能汚染対策

  • http://takedanet.com/

武田邦彦 (中部大学)のサイト。原子力学者さん。
先生のご意見
・「国際放射線防護委員会で決められたように安全という意味では、「1年間に1ミリシーベルト」」
・外部被曝と内部被曝をすべて足し算して「1年間に1ミリシーベルト」まで。空気も水も野菜も魚も、すべて合計。
は、とてもわかりやすく、かつ医学的に正しいと思います。先生の言う「放射性物質からの防御法」を、ねじ子も実践しています。放射線科医からではなく、原子力学者さんからこのような発言が出て、日本国民の健康と安全を今まさに守っていることを、医者として情けなく力不足に思い、かつ、心からの感謝をしています。

  • http://atmc.jp/

全国の放射能濃度一覧、各地の水道データなど、まとまっていて見やすいです。元データは、文部科学省発表なので、話半分で聞きましょう。ドイツ・ノルウェーの拡散予想のリンクもあります。ドイツ気象庁の皆さん、本当にありがとう。

  • http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/w-past_data.html

新宿の水道(蛇口からの水)の放射線データ。
水道局は、20Bq/kg以下を「未検出」とかいう、ふざけたデータしか出していなくて、心底腹が立ちます。WHO基準は10Bq/kg以下だっつーの!!!きちんと数字で出せや!!

  • http://park30.wakwak.com/~weather/geiger_index.html

東京日野市のガイガーカウンタ。リアルタイム測定。
文部科学省発表のデータ(新宿)との解離が楽しめます。
政府発表が信じられない人にもオススメ。

  • http://www.youtube.com/user/BBT757program

大前研一ライブ。2011/3/11以降のすべての動画を参考にしています。
ねじ子は原発に関しては当然シロウトなので、最悪の想定を含めた、原子力発電所の未来予想を発言してくれることが素晴らしい。

  • http://twitter.com/uesugitakashi

フリーランスのジャーナリスト上杉隆さんのツイッター。5時に夢中!で上杉さんが記者クラブを叩いていたのは、こういうことだったんですね。まさか大本営発表と、それを支え続けるメディアと、いけしゃあしゃあと危険を隠した発言をする御用学者を、目が黒いうちに見られるとは思っていませんでした。

人の命より大事なものはないと、私は大学で教わったのに

この国はそうじゃないんだね。
人の命より優先されるものって、いったい何なんだろう。