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ねじ子webについて

医師兼漫画家として活動しております森皆ねじ子のホームページにようこそ。

ここは森皆ねじ子が適当に情報発信しているページです。不定期更新ですが、いちおう新刊が出たりコミケに出たりするときはきちんと告知するつもり。予定。たぶん。

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『けものフレンズ』10話までの所感と新創世紀

『けものフレンズ』は確かに、現在の日本の若者にとって、よくできた救済の物語だと思う。

日本の少子化と経済規模縮小は、おそらく避けられない未来だ。高度経済成長やバブル期に建てられた巨大建造物やインフラを維持するだけの生産力すら、我々は確保できないかもしれない。自分が子供の頃遊んだ楽しい建築物は、ED写真の遊園地のように廃墟になっていくだろう。実際、少し地方に行けば建物だけが残ったゴーストタウンや商店街がすでにゴロゴロしている。それを壊す金やマンパワーすら用意できない未来が来る。そんな予感はみんなの中にある。ジャパリパークは、確かに昔は巨大な動物園か遊園地であったはずの廃墟なのだ。

しかも、廃墟の中にはなぜか大きな火山があり、コントロールできず、毎年爆発してよくわからない物質を撒き散らしている。我々はそこにフクイチの影を見る。フレンズたちは今のところ一種につき一匹しかいない。それもメスのみだ。子孫を成す方法もない。

謎に満ちたこの状況は、すべて彼女らのせいではない。すべて前世代によって作られている厄災であり、「気付いたらそこにあった厄災」だ。それでも、その土地にそのとき生まれた数少ない生命たちが出会い、お互いの個性を紹介し、長所を認め、知恵を出しあい、できる限りの協力をして、小さな手で作業し、問題を解決していく。そしてみんなでジャパリマンを食べる。原始的快感も決して忘れず、すべり台を滑れば全力で「うわー!たーのしー!」と叫ぶ。震災後、未曾有の不況と少子化と経済縮小の中で生きるための知恵がそこには確かにあると思う。

我々の世代の多くは両親の生涯年収を越えることができないだろう。親が自分に与えてくれたサービスを、自分の子に与えることができない。個体数もどんどん減る。国民総中流と言われた時代は終わり、生まれながらに遺伝子や環境や資産が細かく違うと誰もが気付いている。

その一方で学校では「みんなちがってみんないい」と教わった。かつて「困った子」と大雑把にくくられていた子供達にも発達障害やADHDやLDの診断がついて、個別対応ができるようになった。フレンズたちは口数は少ないけれど、その会話は非常に前向きで気が利いている。尊敬と信頼にあふれ、決して相手を不快にさせない。それらはすべて第1話の「へーきへーき!フレンズによって、とくいなことちがうから!」というサーバルちゃんの台詞に集約される。そうやってお互いを尊重し、傷つけ合わず、少ない数でも協力して生きていくしかないのだ。

とすると、やはりそれを脅かす存在であるセルリアン、そしてフレンズを生み出す根源であるサンドスターの正体が非常に気になる。何なんだろう。前世代のヒトなのかな。まったく別の異形の存在かな。宇宙からの使者かな。圧倒的な暴力かな。マインクラフトによく似た「新しい創世記」だと考えれば、ラスボスは地中奥深くに潜んでいる巨大ドラゴンなんだけど、誰も倒しに行かず、みんなで海辺に家を作って「うわー!すごーい!たーのしー!」で終わりかな。なんでもいいよ。とても楽しみ。わくわくしてる。(2017.3.21)

2016年 ねじ子のオレコンランキング

1位 ロケット団(ムサシ・コジロウ・ニャース) / ロケット団 団歌

アニメ「ポケットモンスターサン・ムーン」一夜限りのエンディング曲。ロケット団3人の声優さんたちが作詞を手がけ、歌も歌っている。

「それいけ!アンパンマン」におけるばいきんまん、「ヤッターマン」シリーズのドロンボー一味、ポケモンのロケット団と、日本における「よくできた」冒険活劇アニメシリーズには、憎めない悪役レギュラー陣が不可欠である。彼らが毎回小さな悪事を計画し、なんらかのトラブルをおこして(これが物語を動かすきっかけを作る)主人公たちに懲らしめられ、去っていく。でも、完全に排除はされない。主人公から少し離れた場所で、彼らはいつもしたたかに生きている。これはゆるやかな共生であり、日本における正しい勧善懲悪の描写であると私は思っている。敵を完全に根絶やしになるまで根絶する冒険活劇は(アメリカでは受けるだろうが)狭いムラ社会の日本には似合わない。気の食わない人間や目的の違う人間だっているけど、決して完全な排除を狙わず、コミュニティの中で適度な距離をたもち共存するのが、災害が多く国土が狭い日本における現実だと思う。

共存するために、彼らは決して「絶対に許すことができないほど」悪いことはしない。実は6年前のポケモンアニメ「ベストウイッシュ」において、ロケット団ははじめて完全にシリアスな悪役として描かれた。毎回決まった名乗りを上げて登場する例のパターンも放棄した。結果として「ベストウイッシュ」は面白みに欠けた作品となった。まぁベストウイッシュがつまらなかったのは、ロケット団だけのせいではないけれど。我々はロケット団の底抜けの明るさ、何度主人公に負けても決してめげない姿、仲のよさ、馬鹿馬鹿しい決め台詞の「お約束」に、毎週心を癒されていたのだ、実は。失ってはじめて気付く安穏ってやつだ。時代劇が減り、水戸黄門が放送されなくなり、子どもたちにわかりやすい勧善懲悪が失われつつある今、ばいきんまんとロケット団には末長く頑張って欲しい。

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ねじ子の2016年ハロプロ楽曲ランキング これ書くために『MY VISION』のMV見てたら香音ちゃん恋しさに泣いちゃった

1位 モーニング娘。’16 / 泡沫サタデーナイト!

ねじ子最愛の鈴木香音ちゃんの卒業曲にしてセンター曲。私の大好きな香音ちゃんが一番目立っている曲だから、1位です。1位なんです!属人的な選考でたいへん申し訳ありません。つんく♂さんが香音ちゃん卒業によせて作った『THE VISION』も、悲壮感あふれる乾いたメロディが美しい秀作ですが、香音ちゃんがあまり目立っていないので次点です。

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