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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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2004年12月号 1つの本に1つの問題集を!

医学というのはホントにいろんな分野がありますネ。覚えるべき事も大量にあって、その果てしなさに気が遠くなっちゃいますネ。その全てを網羅するのは、よほど大容量のハードディスクを兼ね備えている天才様でないと不可能です。暇とやる気が無限にあるなら、「標準」シリーズを全て買って熟読し、整形外科手術のネイルの止め方を全て覚えてみたりするのもいいでしょう。でもでも。凡人たる我々にそんな暇はありません。国試に受かるためにはとりあえず出題されてるポイントをしぼることが重要です。「標準」なんていりません。

国試においては、一つの科について「一冊の参考書」と「一冊の問題集」があれば十分です。あくまで誤解しないように言っておく と、参考書は読むためのものではなく、問題集を解いていてわからない所を調べるためのものです。それをどの本にするかは人それぞれ。使い慣れた、好きなも のを選ぶと良いでしょう。私は「いつまでもだらだらとクローン病が続いて、とにかく問題収録数が多い」問題集が大嫌いだったので、シンプルかつ問題数を絞った問題集を好んで選びました。とりあえず阿呆ねじ子の独断と偏見に満ちた使用書物は下図。

産婦人科、特に産科

基本的な分娩の病態生理を、チャートでもコンパスでもいいので押さえましょう。とりあえずlate decerelation→急速推娩と、胎児回旋さえ わかっていれば何とかなります。しかし産科の陣痛胎児心拍数問題には難問が多く、解けない問題は全く解けません。QBとアプローチとコンパスで全部答えが 違うという素敵な問題もあるくらいです。受けた人間から言わせていただくと、国家試験会場でも、非常に微妙な陣痛胎児心拍数で答えが割れてたんですわ。再現を担当した人間の気持ちによって再現画像が違い、よって答えも急速推娩から経過観察まで様々になってしまうのです。

小児科

これはお世辞でも何でもなく、100%小児科と100問小児科が最高にオススメ。これ以上、いりません。100問小児科は前後編で総勢☆問もあり「どこが百問じゃ!嘘つき!嘘つき!!」と泣きたくなりますが、良問が詰まっています。

マイナー

昔、マイナーは科の持ち回り制で出題されていました。「今年は皮膚科の年」「今年はウロ」など、出題科目が決まっていたのです。よって対策も立てやすかっ た。そのかわり、やたらマニアックな泌尿器疾患や誰も知らない皮膚腫瘍が出ていたのです。QBなどを紐解くと、昔の年代の意味の分からない問題が大量に 載っているのはそのためです。とりあえず眼科・耳鼻科・皮膚科は頑張ってやりましょう。画像一発問題が多く、わかれば3秒で答えられますが、わからないと 手も足も出なくて試験中に悲しい気持ちになります。実は出題数も多いこの3科を制するものがマイナーを制す!…と、スラムダンクの安西先生も言っていまし た。嘘です。他は捨てましょう。あ、言っちゃった。間違えました。余裕があったらやりましょうネ!図の…(未)というのは、案の定、ねじ子、問題集解いて ません。ええ、解いてませんとも。えっへん。(いばるな)

次回はいよいよ試験直前だ!

今月の一言