ねじ子のLINEスタンプが発売されています

エキスパートナース2022年5月号 付録『ねじ子のヒミツノート』を作りました


エキスパートナース5月号付録『ねじ子のヒミツノート』を作りました。

「ねじ子のヒミツノート COVID-19自宅での対策編」です。

内容は「新型コロナでの自宅療養のマニュアル」となっています。

医療従事者自身の家庭内感染対策だけでなく、感染した人に説明するときにも使えるように考えました。

私も最初は「家庭内感染なんて防げるわけないじゃん…」と思いましたが、よく考えれば、やれることはあります。知恵と勇気で難局をのりきりましょう。

expertnurse.shorinsha.co.jp/posts/33701091

※昨年の冬コミで出した『令和医療手技図譜 自宅療養編』のブラッシュアップ版です。
冬コミ以降に爆発的に流行したオミクロン株に合わせて加筆修正しました。

この手引き書を最初に書いたのは2021年8月でした。東京オリンピックが開催されていた当時、都内でいよいよ入院できる場所や療養ホテルがなくなり、行き場がない自宅療養中の妊婦さんが次々と出てきたことを受けて、あわてて書いたものです。まったくの自家用でした。
2021年12月の冬コミ用に、第5派に合わせたブラッシュアップをしてコピー誌『令和医療主義図譜 新型コロナウィルス感染症 自宅療養編』を作りました。
そして2021年3月、エキスパートナースの付録にするために、オミクロン株の流行にあわせた内容の改訂を行いました。このときまた1/5くらいを修正しています。

新型コロナウィルスはウィルス自体の変異があまりに早く、それにあわせて社会情勢も時々刻々と変化していきます。最新の情報に「紙の媒体で」追いつくことはとてもむずかしく、書いたことがあっという間に古くなってしまうやるせなさを時に感じます。でもやる。これからも、たぶん。

実は私は「この冊子が皆さんの手に届く前に、新型コロナウィルスは指定感染症2類から5類になるんじゃないか」とはらはらしてました、この1ヶ月ずっと。5類になったら、この付録の内容はまた1/5程度書きかえないといけません。

でもまだ今のところ、厚労省も医師会も感染症の指定を変えるつもりはなさそうです。いつかどこかで変えなくてはいけない時が来ると思いますが、「今はまだその時じゃない」ということなんでしょうか。その気持ちもまぁ、わかります。東京ではCOVID-19はだんだんと日常に溶け込みつつありますが、地方では決してまだそうではないのでしょう。そして3回目のワクチン接種率はなかなか上がらず、接種会場はどこも空いている状況です。うーむ。(2022/04/21)

仮面ライダーオーズ10周年記念映画『復活のコアメダル』を見た

仮面ライダーオーズ10周年記念映画『復活のコアメダル』を見た。

※以下映画のネタバレしかないので、ネタバレを見たくない方は回避してください。

先行上映組が続々とファントムを生み出し各地でサバトが開催されているのを見ていたので、心の弱さを自覚している私は、ネタバレありの掲示板やブログやふせったーや映画レビューサイトを事前に熟読し、完全に予習してから映画館へのぞんだ。子どもを連れて行って大丈夫かを判断する必要もあった(だめだと判断して一人で行った)。

ちなみに私は、オーズ直撃世代の子どもとともに当時のTV放送をのめり込んで見ていた人間である。2011年放送当時、東日本大震災がおきて福島第一原子力発電所が爆発した。一日何回も緊急地震速報が鳴り響き、小刻みな余震が絶えず発生していた。放射性物質の被害がどのくらい広がっていて、いつまで続くのか誰にもわからなかった。そんな中、我慢や自己犠牲を徹底して否定し、人間の欲望を高らかに肯定しながらすべての誕生を祝福する「仮面ライダーオーズ」という物語に、どれだけ救われたかわからない。当時の私は日曜日の朝のために生きていた。先日行われていた仮面ライダー大投票でも、入れられる票はほぼすべて仮面ライダーオーズと将軍と21のコアメダルとMOVIE大戦MEGA MAXとTime judged allに入れた。小説版オーズも発売してすぐに買って読んだ。

中学生に成長した長男のみならず、当時生まれていなかった園児である次男も、いまだに13年前の商品であるDXオーズドライバーとDXメダジャリバーとDXタジャスピナーで遊ぶ。DXオーズドライバーは10年に一度の傑作玩具だと思う。変身して楽しい、メダル投げても楽しい、音を鳴らして楽しい、ただ眺めているだけでも楽しい。オーズになりきって「変身!」する子どものために、「オイこれを使え」とぶっきらぼうに言いながらメダルを投げさせられた回数は数知れない。津波の映像を流し続けるTVニュースを背景に、無邪気に変身して遊ぶ子どもの姿を私は今でもあざやかに思い出せる。彼らにとって火野映司はいまでも「ヒーロー」かつ「自分」であり、私にとって火野映司はすでに「10年育てた息子」なのである。

子どもを映画に連れて行くのをやめた判断は、結果として大正解であった。

私の視聴直後の感想は不覚にも「『がんばれいわ!!ロボコン』よりはましだったな」というものであった。事前の予習により心の中のハードルを最大限に下げた努力のたまものといえよう。『がんばれいわ!!ロボコン』を映画館で見たゲテモノ東映特撮大好き人間のねじ子にとって、今作は「思っていたよりも食べられる料理が出てきた」と感じてしまった。私の中の映画星取レビューは「がんばれいわ!!ロボコン<復活のコアメダル<スーパーヒーロー大戦」だな!どれも星1つだけど!

なぜなら、この映画はラスト5分まではそこそこ面白かったのである。ラスト5分で、ここまで積み上げてきたキャラクターの行動原理と物語のテーマが突然すべてひっくり返ったので驚いた。最初の50分とラスト5分(正確にはゴーダの裏切りのあたりから)で別の作品をくっつけたのではないかと思うほど、脈絡が離断しているのだ。

今からでも遅くないからアンクが腕にくっついてる映司が砂浜を歩く映像を作って、ED後に3秒でいいから流してくれないかな。まじで。そうしないと映画内ですら矛盾がはなはだしくて、見ていられないよ。「なんで映司くんが助かる手段があるのに使わないの?さんざん自分たちで『信吾のときのようにできる』『最後まであきらめるな』と言ってたのに?アンクくっつけたまま映司の体を治す旅に出る(たまにアンクが不貞腐れてどっか行っちゃって比奈ちゃんが怒るギャグ回がある)でよくね?何がダメなの?」という、視聴者の「誰もが」もつ疑問への答えは、この映画のどこにもない。

つまり、これは「映司が死ぬ」という「結論ありき」で作られた映画である。おそらくこの映画の作者(誰だか知らない)は「一個の命を戻すには一個の命の犠牲が必要」という等価交換の価値観を強くもった人なんだろう。それ自体は理解できる信条である。しかしそれは「仮面ライダーオーズ」という作品のテーマとは致命的に食い合わせが悪い。壊滅的なほどに合わない。だから最初の50分とラストの5分で物語が乖離してしまっている。「命の等価交換のお話がやりたいならオリジナルでやれ。オーズの10周年でやるな」としか言いようがない。

だって映司くんはすべてを救う手段を最後まであきらめずに考え、狡猾にそれを成し遂げるヒーローなのである。映画『将軍と21のコアメダル』で「ここにいる全員が家族だ」と言い放って悪役さえもだまし町民全員を救ったように、映司は誰よりも大きい欲望をもって目の前にいるすべての人間を救おうと最後まで冷静かつ強かに知恵をしぼる人間なのだ。この映画の中でさえ、そう語られていたではないか。アンクとジェネリック爆撃少女(なんで最後出てきたの?)を助けて満足して死を選ぶなんて、そんな小さい欲望で映司が満たされるはずがない。彼のもっている危うい自己犠牲的な側面はTV本編で否定されつづけ、最終回に「他人と手をつなぐことでより広い範囲まで手が届く」という結論にたどり着いたのではなかったのか。

震災による自粛が叫ばれる中、「我慢しないでいい」「もっと欲しがれ」「欲望こそが明日を切り開く」がオーズという物語最大のテーマであった。それは当時の私にとって、絶望の中で光り輝く生命賛歌であった。こんなテーマのヒーロー作品は他に類を見ない。自己犠牲こそを尊いものとして美しく伝え、欲望を否定する英雄譚はこの世にありふれている。そうじゃない、むしろ真逆だからこそ「仮面ライダーオーズ」という物語は今でも特別な人気があり、映司は唯一無二のヒーローであり続けてきたのだ。

そして、グリードであるアンクはさらに欲望に忠実な存在だったはずである。欲にまみれた粗暴な怪人が人に囲まれて生きざるをえなくなり、しだいに変化し、最後には自分を捨てて映司の暴走を止め自らは消えていくという「たった一度の献身」にいたる過程こそが、主人公と対になるこの作品のテーマであったはずだが、……なんでアンク突っ立って泣いてるのよ。おめーそんなタマじゃねーだろ。もっと欲しがれよ!伊達さんも医者でしょ。なに突っ立ってるのよ。胸骨圧迫のひとつもしろよ。私が好きだった伊達さんはそんなヤブではなかったはずだ。

そもそも当時壊れたはずのメダルが普通にもりもり残ってるのはなんで?どの時間軸とつながってんの?MEGA MAXとつながってる世界なら、風都も天の川学園も2021年には壊滅してるし、仮面ライダーWとフォーゼもここまで助けに来れないほど無力化されてるってこと?平ジェネFINALとつながってるならエグセイドまでのライダー世界も全滅に近いのでは?「全人類の8割死んでる」「メダルのことを知っているのはここにいる人間だけ」って、オーズが本編で助けたゲストキャラもみんな死んじゃったの?剣道少女もマイペンライも八景島シーパラダイスのトイレの福くんももういないの?そんなの嫌だよ!!あとなんかベルト増えてない?全部で3つくらいあるような。鴻上ファウンデーション製であるメダジャリバーを古代王はどこからもってきたの?メルカリで買った?ノブくんの剣とメダジャリバーで二刀流になったときは面白すぎてポップコーン吹き出しちゃったよ。東映の倉庫から引っ張り出してきたのかな?なんでもありだね!あとなんでアンクは王の中で紫のメダルを取り出して外に投げられるのかな?それができるならTV本編後半でやればよくね?映司グリードの悲劇がすべて台無しじゃない?そもそも瀕死の人間にしかアンク取り付けないはずなのに、お兄ちゃん別に瀕死じゃないよね?お兄ちゃんのこめかみに指をあてれば記憶を全部読めること、アンク忘れちゃった?なんで比奈ちゃんすら兄の人権をずっと無視してんの?そもそもアンクって寄生主の意思で追い出せるような生ぬるいシステムだったか?それならTV本編のお兄ちゃんは気合が足りなかっただけになっちゃうよね?そもそも古代王が復活して他のグリードを蘇らせたときに、アンクのコアメダルだけが「都合よく」復活していないのはどうして……?

……果てしなく「そもそも」が出てくる。これら多くの「ご都合主義」は、ラストの展開のためにすべて目をつぶらされている。いくらなんでも多すぎる。目をつぶりきれない。しかも目をつぶった先にあるのは、非合理で唐突な主人公の死の描写なのである。

お祭り映画ならば、ご都合主義でも私は許すんだよ。『将軍と21のコアメダル』に「なんで暴れん坊将軍がいるんだよ!なんで将軍がメダル持ってるんだよ!」などと突っ込むのはきわめて野暮だ。サービスでフォームチェンジをいっぱい出したっていい、お祭り映画ならば。ゴーカイジャーがオーズ全コンボにゴーカイチェンジしてガレオンバスターぶっ放したっていい。当時は呆れ果てたけどもうぜんぶ許す。いま思えば、あれだけうんざりしていた春映画だってまだマシだったんだな。だって「パラレル」だもん。全部なかったことにできるから。

恐ろしいことにこれは「完結編」なのである。「本編です!正史です!大人向けです!キリッ!」という姿勢でお出しされている作品なのだ。それならば、TV本編での成長がすべてなかったことになっている物語と、あふれるほど多い矛盾点から目をそらすことはできない。これらはシンプルに前作の勉強不足と設定無視であり、誰が制作したものであろうと、言いわけがきかない杜撰さである。考えれば考えるほど「公式が解釈違い」「公式が勝手にやったことだから私には関係ない」という言葉が口からあふれ出てきてしまう。どちらも、今までのオタク人生で禁句にしていた、絶対に言わないようにしている言葉なのに!

なお演者さんはみんな最高だった。浅井さんのオーズも線が細く軽やかでよかった。まあオーズだったのは古代王にやられる一瞬だけで、ずっとゴーダ(かアンク)だったんですけどね!だから高岩さんに似ていなくても別にヨシ!なんだよね!よくねえよ!!!!なんだかなぁ!!ゴーダのキャラは、映司のファンボーイ丸出しでアンクと絡みたがるウザさがこちらまで伝わってきて、結構よかったんだけどね!でも(ラストの展開に無理やりつなげるために)裏切りが唐突!あとコンボの音楽はちゃんと流せや!それがオーズだろ!タジャドルすら流れないってどーゆーことだよ!!(だんだん言及が細部になってきました)

それより何より。ヒーロー玩具好きとして「10年間オーズを買い支えた結果がこれかよ……」という失望感がどうしても、どうしても止められない。これは本当に困っている。私が貢いだ金で、私のヒーローが殺されてしまった。しかも整合性もなく、唐突に。そんな作品が作られてしまった。これが私には耐えがたい。

「仮面ライダーオーズ」は大人向けアイテムの販促が長期間続いている奇跡的なIP(のうちの一つ)だと思う。大人向けのプレミアムバンダイ限定商法が非常に上手くいき、関連商品がコンスタントに出続けていた。少子化が進む中、戦隊好きの私としては羨ましく思うほど、大人向け玩具展開がうまくいっている「金の成る木」だったと思う。だからこそVシネマを作る企画が通ったのだろう。私ももちろん、オーズに定期的にお金を使っている人間のうちの一人であった。オーズという作品は10年間ずっと「客はお金を使って幸せ → バンダイもおもちゃが売れて幸せ → 東映も作品を作れて幸せ → 客は新作が見れて幸せ、演者もときどき思い出してもらえて幸せ」という完璧な「正の」フィードバックができていた。そんな奇跡のようなヒーローだったのに。『復活のコアメダル』を見てからというものの、わたしはオーズはもちろんのこと、他の過去の東映特撮作品にお金を使うことをひどく躊躇している。ていうかやめている。だってそのお金で、私の大好きなヒーローやヒロインが殺されるかもしれないんだよ!そんな「死の商人」になってたまるか!

私にはオーズの他にも「続編を作ってもらいたいから」関連商品を買い続けているIPがあった。仮面ライダーマッハとかチェイスとかシンケンとかゴーカイとかルパパトとかね。私がルパパトを買い支えた金で作られる『10 years after』で、魁利くんや初美花ちゃんが整合性もなく死んだら私は許さない。許さないぞ!(※復コアオーディオコメンタリーで演者さんが「許さない、と思った」と語っていると聞いた。少なくとも演者さんとは解釈が一致しているようでほっとした、私も同じ気持ち)。確実にファントムになって暴れまわり一人サバトを開催する自信がある。オーズと同様に「いやぁ快盗は放送当時から死亡エンド案もありましたからねぇ」なんて、したり顔で識者に語られたりしたら、もう目も当てられないほど怒り狂うだろう(『秘めた思い』の歌詞を見るかぎり快盗には死亡エンドが想定されていたと思う)。まぁつまり今のわたしは目も当てられないほど怒り狂っているってことなんだな。ふふ。今から先に予防線を張っておく!香村さんが脚本じゃないなら、ルパパトの続編は作らないでいいから!!センパイジャーは香村さん脚本だからすごく楽しみにしている!魁利くんおかえり!元気にしてた?初美花ちゃんは元気?

こうなると「続編が作られない作品のほうが幸福」のみならず「作品を守るためにはファンが金を使わないほうがいい」という逆転現象まで起きてしまう。負のフィードバックである。役者さんが非協力的なIPのほうが幸せ、売れなかったIPの方が恵まれている、ということになってしまう。思い出の中でじっとしていてくれるのだから。実際に、私のニチアサの親は井上御大であり、私は仮面ライダーキバが好きなのだけど、キバは後から少しも汚されない。変なものを後から付け足されることもない。主人公が一年間命をかけて守った平和がおびやかされることもない。幸せだ。ちょっとマンホールが飛んでくるくらいどうということはない。

私は自分と自分のヒーローを守るために、この映画を脳内消去した。私の中の映司くんはいまでもアンクを復活する方法を探しながら世界を旅している。またはTV本編→『復活のコアメダル』→MEGA MAXでアンクとミハルが戻って時系列分岐、絶滅回避→平ジェネFINAL→映司くんの旅は続く……という「ゼルダの伝説」や未来トランクス形式の時系列だと勝手に思い込むことにする(メダルの数や出どころなど所々の辻褄はまったく合わないが)。あぁ、本当はこんなこと書きたくなかった。でもこの一週間私はずっともやもやしていて、この記事を書かずに鬱憤を消化することが結局はできなかった。

私は今でも、すべての人間に手を伸ばしてその手を必ずつかもうとしながらも、自己犠牲を徹底して否定し、すべての欲望を高らかに肯定する唯一無二のヒーローである仮面ライダーオーズを愛している。(2022/3/19)

追記:お口直しに押し入れから12年前のDVDを引っ張り出してきて、当時生まれていなかった子どもと一緒に踊りながら見ました。子どもが楽しめる動物クイズもあり、すごくよかったですよ。

2020年 ねじ子の子ども向けおもちゃランキング

※今更2020年末の記事です。新型感染症流行に免じて許してほしい。

ねじ子のおもちゃ大賞2020、簡易コメントつきです。

新型コロナウィルス流行下におけるステイホームの中、おうちで子どもたちと長時間過ごすために2020年はかなりたくさんの子ども向けおもちゃで遊びました。2020年おもちゃランキングのレビューを当時書いていたので、ここに載せておきます。自分で買って遊んだものの中からのランキングです。

2021年のハロプロ楽曲ランキングの筆がなかなか進まず、逃避してる間に書いた側面もあります。

1位 鬼滅の刃 DX日輪刀(竈門炭治郎)

素晴らしい。

まず、長い。DX日輪刀という玩具の素晴らしさはその「長さ」にある。きちんと長い。剣の長さと重さを感じながら、子どもたちが振り回すことができる。剣という武器は長く、重く、重心のコントロールが非常にむずかしい武器なのだ。だからこそ、持ち手から剣先まで十全にコントロールができた瞬間にもっとも強い威力を発揮する。身体的高揚感を味わうこともできる。刀とはそういう武器だ。ヒーローが長物をぶんぶん振り回して刃先をコントロールしているからこそ、かっこいいのだ。時代劇の殺陣やスターウォーズのライトセイバーだって同じ。チャンバラ・アクションの楽しさの起源はここにある。

近年の小児用の剣のおもちゃはどんどん刃が短くなっていた。新しい剣のおもちゃは毎年のように発売されていたけれども、少子化のせいなのか、原材料費高騰のせいなのか、安全基準のせいなのか、長さがどんどん短くなっていたのだ。「長物を振り回すと楽しい」という実感は、近年の剣の玩具から失われていた。

長さ比較。

上からビルドのDXドリルクラッシャー、ジオウで「ン我が魔王!」が口癖の人が使ってたステッキ(今検索したら仮面ライダーウォズのDXジカンデスピアーという商品名)、ゼロワンのDXアタッシュカリバー、アイドルのMIX口上そっくりな音声がやたらでかい音量で流れるニンニンジャーの刀、次男がこれまでの人生で最も長い時間遊んだおもちゃ・ルパンソード、リュウソウケン、そしてDX日輪刀。日輪刀が群を抜いて長いことが一目でわかると思う。

ちょっと昔の、長男のころのコレクションとも比較してみた。

上から仮面ライダー電王のデンガッシャー・ロッドモード、ディケイドのカードを入れる本の形の剣(DXライドブッカー。お気に入り)、Wのヒートメタルの棒をめいいっぱい伸ばした状態、オーズのメダジャリバー、鎧武の剣(これは二つの商品をくっつけてる。お値段二倍なのでちょっと反則)、DX日輪刀、キョウリュウジャーの獣電剣ガブリカリバー、シンケンジャーのDXシンケンマル、ゴーオンジャーのマンタンガン(変形して銃にもなる。お気に入り)。昔の商品と比べても、DX日輪刀はかなり長めの刀である。「長男と次男の間の数年に日本はこんなに不景気になったのか……」とも言えるし、「シュリンク・フレーションもいい加減にしろや!消費者舐めんな!親は気がついているぞ!」という憤りも、まぁ、ある。だからDX日輪刀の長さは素直に嬉しかった。これが売れたことはおもちゃ好きとして小気味よくすらある。いい商品が売れるのは嬉しい。

DX日輪刀は『鬼滅の刃』主人公・竈門炭次郎のなりきりアイテムである。なりきり玩具において最も重要なのは「子どもがなりきりたくなるかどうか」。つまり原作マンガおよびアニメの『鬼滅の刃』の充実度と没入しやすさこそが最も重要になる。

原作マンガ『鬼滅の刃』は2年ほど前から小学生の間で大流行していた。

炭治郎と禰󠄀豆子の迷いのない家族愛。迷いなくわかりやすい理想の上司であり、恵まれた環境にいながらも弱者を救うために自身の力をすべて使い、強い暴力や権力への誘惑には決してなびかない煉獄さん。その喪失。わかりやすく女好きでへたれで普通の少年・善逸。いつも前向きで元気に強く、ギャグもこなしてくれる猪突猛進な伊之助。悩み多いクールな二枚目の義勇。プリキュアやセーラームーンそのものである女子戦闘集団の理想のトップ・胡蝶しのぶ。その姉・カナエは小学生女子が憧れる「大人の女性」として完璧であったが、妹のために死んでいる。しのぶの下には、人に心を開けない妹分の少女カナヲがいる。姉たちを見ながら、カナヲも他の少女たちも成長する。どのキャラも正しくて優しくて強い。子どもたちが自分を重ねるのにぴったりだ。その中の誰かを選び、共感し、キャラクターになりきりって物語を楽しむことができる、そんな登場人物が取り揃えられている。

弱者や市民を守るヒーローを冷笑する風潮は、一切ない。悪役が可哀想な過去を少しさらしただけで(これまでどれだけの悪行を重ねていても)「悪には悪の事情がある。だから人を殺していても許す。感動した!」というような、悪役への奇妙なおもねりも一切ない。弱者を守るために必死に闘う真面目で真摯な鬼殺隊が、悪い奴らを倒す。悪役はすがすがしく倒され、みじめに醜態をさらして死んでいく。

ステイ・ホーム期間に、インターネット上の様々なサブスクリクションサービスで『鬼滅の刃』一期アニメが全話公開されていたことも効果的であった。学校が休みで死ぬほど退屈していた日本中の子どもたちが、親のスマホやiPadやAmazon Fire stick TVで鬼滅のアニメを再生したのだ。紙の鬼滅の単行本は、その時期ずっと品切れであった。鬼滅のアニメ一期は、新型コロナウィルス感染症という突然来た世界的なパラダイム・シフトとステイホームの時代に奇跡的にぴったりと合ったのだ。そうやってステイホーム中にため込んでいた視聴者が、アニメの続きを見るために映画館に向かった。みんないっせいに向かった。

『無限列車編』映画公開は、たまたま、本当にたまたま、コロナウィルス感染者数が比較的少ない時期であった。でもなかなか遠出まではできない。海外旅行はもとより、都道府県をまたいだ旅行や、人が多いイベントを躊躇する空気の中、一席あけて市松模様で座席を販売をしてくれる「近所の映画館」は、さまざまな人にとって格好の週末の娯楽となった。家族連れも安心して行ける数少ない目的地にもなった。そのタイミングの奇跡こそが映画『鬼滅の刃 無限列車編』400億円の原動力であったと、私は思う。一期アニメの連作の素晴らしさ、公開タイミングの良さ、そしてもちろん『無限列車』のストーリーの素晴らしさと映画としての出来のよさ、これらすべてが重なった結果だ。こんな私でも、息子のお付き合いで1回、4DXを体感するために1回、計2回無限列車に乗った。どちらも客席は埋まっていた。

DX日輪刀はデザインもいい。アニメで刀の周りに出現するエフェクトをそのままプラスチックで再現させて、刀のまわりにくっつけちゃおう!と最初に考えついた人は天才である。刀は二本入っており、長い方がもともとの炭治郎の水の呼吸の日輪刀、短い方が刀が折れた状態でヒノカミ神楽を初めて出したときの日輪刀だ。本物の炭治郎の声優さんの声で、水の呼吸 拾ノ型まで鳴ってくれる。ヒノカミ神楽は「演舞!」のみ。

子どもたちはさらに上を求め「鍔が外れないのかー!煉獄さんの鍔を入れたいのに!外れたらもっとよかった!」「ヒノカミ神楽を長い刀で出したいよー!」と言う。アニメではまだそこまで放送してないので、それは玩具でネタバレをすることになってしまう。現時点では無理だ。このおもちゃが売れまくって、今後そのような商品が出ることを期待しよう。

余談ですが、私の好みは当然のように甘露寺蜜璃ちゃんです。蜜璃最高にかわいいよ!!でもたぶん蜜璃の子ども用玩具は出ない。だって観測中の保育園の女児人気は圧倒的にしのぶさん>>>>>>>>>>>>>禰󠄀豆子=カナヲ>>>>>>>>>>蜜璃ちゃんだから……。どうして……。

2位 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー -VS MEMORIAL SET-

最高。Wレッドの劇中音声が全部聞ける。とくに私の大好きな劇伴「快盗演舞」が変身音と名乗りの台詞とともに流れて嬉しい。

販売ページはここ↓
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー -VS MEMORIAL SET-| プレミアムバンダイ 

2019年末、自分へのクリスマスプレゼントとして予約注文したあとでゆっくり商品説明の詳細を読んだが、このおもちゃには私の大好きなルパンイエローの要素が全然ない。ブロマイドに少しうつっているだけだ。

戦隊ブログvol.107 ルパパトのメモリアルアイテム、予約受付開始! | スーパー戦隊おもちゃウェブ | バンダイ公式サイト

商品開発者さんのライナーノーツがとても熱くて嬉しい、新規音声収録たくさんで嬉しい、私の一番好きな劇伴『快盗戦隊ルパンレンジャーのテーマ』がボタン一つで流れるだけでも1万円の価値はある。やったね!

しかしうみかちゃんの要素が全然ないな(小声)

全員分の音声を少しだけでも入れてくれてもいいのよ、ほら変身かけ声とか名乗りとかさ……。と思っていたのだが、まぁ結局、入りませんでした。メンバー全員の声を変身音だけでも入れてほしかった。その後発売されたDXリュウソウケンには全員分の音声が入っていて、とてもうらやましかった。

Wレッドの音声がたくさん聴ける(ほんの少しノエルも出てくる)のはとても楽しい。劇中再現もはかどる。当時販売のDX玩具にも音声対応しているので、そちらでの拡張遊びもできる。

※ここからはこの記事の再放送となります。

プレミアムバンダイはいつからか、私達ハロヲタの財布を狙わなくなった。当初はルパパトWヒロインのグッズだの何だのを出してきていたというのに、今はまったくない。最近のルパパト商品発売ラインナップを見ても、プレミアムバンダイはハロヲタの方を向いていない。Wレッドとエックスの商品ばかりだ。

これはルパパトという作品およびWレッドとノエルにたくさんの新規ファンがついて、金銭化のめどが立っているということなんだろう。ハロヲタを頼りにしなくてもルパパトという商材が購買力を得たのだ。素直に喜ぶべき、素晴らしいことだ。

癒してハロプロ てれびくんのルパパトヒロインDVD 本編16分で6500円っておかしくない?

ハロプロニュース : 【工藤遥効果】子供の味方「てれびくん」がおっきなお友達向けの商売に手を出してしまう

いつかのてれびくんDVDのように、おたくの財布を狙われまくって足元を見られまくって、ハロヲタの間でも激しく意見が割れてしまうような事態はもう二度とごめんだ。工藤ファンの中からも「あんな商品をあんな値段で買ってはいけない」「あんなぼったくりDVDでもファンは買う。足下を見られてるんだよ」「あんな値段でDVD買った奴がいるから、小学館は調子に乗って15000円もする超全集を出すんだ」という声も聞いた。その意見は正しい。私も当時、怒髪が天をついた。私は古い人間なので10年前に『てれびくん特せい 仮面ライダーオーズ超(ハイパー)バトルDVDクイズとダンスとタカガルバ』(本編23分)を送料込1250円で購入したことを、きちんと覚えている。物価高騰を加味したとしても、本編16分で6500円はあまりに高すぎる。ファンを分断するような売り方は二度とごめんだ。ごめんなんだけど。

……相手にされないとそれはそれで、嬉しいような、少しさびしいような。

3位 きめつたまごっち

2020年は結局ずっと鬼滅の年だった。この商品は「開発者はとても鬼滅が好きなんだろうな」とわかる仕様で、すごくよかった。きめつたまごっちは鬼滅の本編にそった成長をみせる。

最初は名もない「癸」の鬼殺隊士が登場する。この初期キャラクター(うちでは「村田さん(仮)」と呼ばれている)を「死なない」程度のギリギリで最大限ほおっておくと、伊之助になる。解釈一致。ほどほどに世話をして、あまり鬼を倒さないでいると「甲」の隊士には出世せず、かまぼこ隊のどれかになる。ちなみに炭次郎を育てたあと丁寧にお世話をしていると禰󠄀豆子を連れてきてくれる。解釈一致。

村田さん(仮)をきちんと世話して定期的に現れる鬼たちを三回以上倒すと「甲」に出世する。その後、柱の誰かに分岐する。私はいつもご飯とお茶をたっぷりあげすぎてしまうので、蜜璃ちゃんに育つ。これまた完全な解釈一致。蜜璃ちゃん今日も最高にかわいいよ!!!(女性アイドルにかけるかけ声)

……私は大満足だが、息子たちは不満そうである。そしてリセットされてしまう。死ぬか、リセットするか、電池が切れないと次のたまごっちを育てられない仕様だからだ。

さまざまな鍛錬を何回も繰り返すこと、それがノーミスでできたか否か、鬼を殺すスピード、食事量などによってどの柱になるかの分岐先が変わる。これが結構むずかしく、なかなか狙った柱に育ってくれない。狙った進化先にするための発動条件は公式からいっさい発表されていない。ネット上にあるユーザーの経験談に頼るしかないのだ。

そして──これが最も重要なことだが──鬼滅たまごっちたちはあっさりと死ぬ。鬼に襲われて、本編通りにあっけなく死ぬ。たまごっちを家に忘れて仕事に行くと、帰ったら死んでいる。たまごっちの存在を一日忘れると、もう死んでいる。本編と同様に、決して生き返らない。なんたる解釈一致。原作と同様に、隠(カクシ)の皆さんがやってきて亡骸を持ち去っていく。

あんなに頑張って煉獄さんにしたのにさぁ!!!私の馬鹿!いまわのきわの煉獄さんに「俺の方こそ貴女のような人に生んでもらえて光栄だった」と思ってもらえるような立派な母に、私はなれていたでしょうか?どう考えてもなれてないです!

この散り際のあっけなさと命の取り戻せなさも非常に『鬼滅の刃』らしい。それと同時に、往年のたまごっちと同じ楽しみ方もきちんとできるので、これは非常によくできたコラボだと思う。一日一回特に意味もなくお館様や無惨様や珠代さんの猫が出てきてくれたり、第二弾ではしのぶさんがカナヲちゃんに進化したり、煉獄さんのもとへ弟くんがたまに来て掃除してくれたり、細かいイベントも作り込まれていてやりがいがありました。

4位 DXゼロツープログライズキー&ゼロツードライバーユニット

仮面ライダーゼロワンのおもちゃはとにかくデザインが最高。可動変形も最高。機械仕掛けの音声も最高。

これは従来ならば最終フォームにあたる仮面ライダーゼロツーに変身するための追加玩具である。ゼロワンドライバーのパーツを一部外して、上からつけるシステムもすごく面白い。見た目が大胆に変わって楽しい。

TV本編中の仮面ライダーゼロツーは、コロナの放送中断が重なった不幸によって、ほとんど活躍の場がなくなってしまった。それはもちろんしかたのないことであり、そのハンデをもってしても、ゼロツーのおもちゃは最高におもしろかった。映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』でゼロツーの役割がとても美しいかたちで新しいイズに引き継がれたのもよかった。

ただし!ゼロワンTV最終回の「きみはイズだ」という或人の発言は、ヒューマギアという商品の存在意義、ヒューマギアに自我を認めるか否かという古典的議題への結論、或人のヒューマギア製作会社の社長としての社会的責任、つまり一年間積み上げてきた物語と「主人公のヒーロー性」をすべて台無しにする壊滅的台詞だと思う。あれはいったいなんだったんだ。

5位 ポケットモンスター スマホロトム

気の抜けた音声がとてもいい。ポケモンのアニメが新作になるたびに出る、液晶つきのおもちゃである。3DSやSwitchでポケモンの本編をやるにはまだ早い幼児向けの商品だ。簡単な物理操作でポケモンをゲットして、図鑑の完成を目指すことができる。ポケモンにふれてみたい、でもまだ数万円するビデオゲームを買い与えるには早い年齢の保育園・低学年幼稚園児にぴったりだ。

なんといっても玩具としての寿命が長い。これがスマホロトムの最大の利点である。3年間は使える。ゲーム本編ができるようになればこのおもちゃは不要になるが、それでも3年間は使える。ありがたい。

写真右は同機種の前の型、2018年発売の「ポケットモンスター ウルトラゲット! ロトム図鑑」である。2つの物理ボタンが「決定」と「戻る」にあたり、横についてるロトムの手(棒)を回して上下を操作する。液晶はタッチ対応してない。写真左、後継機であるスマホロトムは2020年発売。きちんとスマホっぽいユーザー・インターフェイスになっている。液晶もタッチパネルで、液晶タッチとホームボタンで操作する。自分のスマホが欲しいけれど、当然まだ買ってもらえない子どもたちの「憧れ」にぴったりフィットしたユーザー・インターフェイスに進化しているのだ。素晴らしいね。

6位 仮面ライダーセイバーのなりきり玩具類(DX聖剣ソードライバー)

2020年の園児用クリスマスプレゼント筆頭商品。次男はセイバーが大好きである。「剣で変身するライダーって他にいないでしょ。かっこいい」がその理由だそうだ。なるほど、確かに。セイバーのベルトをもらって本当に嬉しそう。変身ギミックは三冊並べて剣を抜く、という過程で、オーズドライバーにそこそこ似ている。

仮面ライダーセイバーのベルトには、初期装備である「プッシュ必殺技」ができないという致命的欠点があった。プラスチックのパーツが干渉してぶつかりあうために、ページを押し込むことができない。無理やり押すとミシミシ音がして、ライドブックのページ下部のプラスチックがへこんで傷がついてしまう。やりすぎると折れそう。そもそもあまりに堅く、うちの個体では大人が押しても必殺音が鳴るところまで至らなかった。子どもはそのギミックに気づいてすらいなかった。分解して改造したブログなどによると、内部のプラスチックのパーツ形状の不備で、単純な設計不良のようである。

プラスチックのおもちゃを傷がつくほど強く推すことを、4歳児に教えることはできない。おもちゃを壊してしまう。保育園や児童館のおもちゃ、友人に借りたおもちゃを子どもが同じくらいの力で押すことを覚えてしまったら困るから、プラスチックが壊れるほど強い力でおもちゃを押せとを推奨することは私にはできない。

きちんと試遊して欲しかった。対象年齢の子どもを使って試しているとは到底思えない。きっとコロナのせいで細部を作り込む時間がなかったり、工場との伝達がうまくいかなかったりしたのだろう。それでも、一万円近くする子ども向けおもちゃで大事なギミックが一つ死んでるのはきつい。そしてなによりも、これを「仕様」とし、メーカー対応がなかったことに私はとてもがっかりした。初期ロット以降はバンダイが対応してくれるかと思って、クリスマスまで待っていた親御さんもそこそこいたと思うのだが……。今どきの親子はTwitterやYouTubeでレビュー動画をじっくり見てからおもちゃの購入を決めるから、商品の不備にごまかされたりはしないんだよ……。

さてここからは少し話題を広く、コロナによるパラダイム・シフト後の仮面ライダーについて書いてみる。

悲しいことに、幼児の間で、仮面ライダーと戦隊の知名度がどんどん減っている。恒常的で手軽な安価の見逃しネット配信が存在していないからだ。(TTFCにいきなり1000円払って入る人はよほどのマニアしかいないし、マニアはすでに全員入っている。)いまや、特撮番組そのものよりも特撮玩具系Youtuberの方が子どもたちに名が知られているかもしれない。

子どもたちには、ネットで無料または、親がすでに加入している配信サイトで見られるコンテンツしか「存在すら」していない。それだけでも見きれないほどのコンテンツがある。

前述の『鬼滅』はもちろんのこと、『パウ・パトロール』(NetflixとHulu)、『ウルトラマン』シリーズ(YoutubeとAmazon Prime)、『すみっこぐらし』(Amazon Primeで見た映画が最高でした)、『フォートナイト』と『マインクラフト』(どちらもオンライン通信が無料。だから子どもに強い。ちなみにスプラトゥーンやあつ森やスマブラのネット通信対戦には、有料のNintendo Online加入が必要。年間500円しかかからないが、それでも子ども人口の差はそこで大きく出る。親がゲーマーでないと厳しい)。これらの商材の子ども向け利用率の高さの正体は、(子どもたちにとっては無料の)ネット配信の恒常性だと私は思う。

※『フォートナイト』はオンライン対人バトルロワイヤルであり、CERO:C(15才以上対象)のゲームである。小学生向けの児童雑誌「コロコロコミック」の『フォートナイト』の連載漫画の巻末には必ずこのような説明ページが入っている。

さて、今の話題は仮面ライダーシリーズだ。

2019年7〜9月頃に、それまでAmazon Prime Videoにあがっていた有名東映特撮TVシリーズが軒並み配信終了した。具体的には、TVシリーズの仮面ライダーカブト・仮面ライダー電王・仮面ライダーディケイド・仮面ライダーW・仮面ライダーオーズ・仮面ライダードライブ・仮面ライダー鎧武など。名作映画の『仮面ライダーW FOREVER A to Z/運命のガイアメモリ』『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』など。そしてクソ映画として誉れ高い『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』などもだ。ライダーも戦隊も、Amazon Prime Videoの動画見放題作品がほぼなくなってしまった。

なぜこれら過去の名作が突如レンタル扱いになったのかはわからない。その半年後に訪れたコロナ禍と、それに伴うステイホーム需要下においても、これはまったく変わらなかった。非常にもったいなかった。緊急事態宣言下において、仮面ライダーを追加料金なし配信で見られるサブスク環境はdTVかHuluくらいであった。どちらも入っていないご家庭が多いだろう。ちなみに私のHuluは、見たい作品があるときだけの限定契約である。最後に使ったのは何年前だろう?子どもがアンパンマンにガチはまりしていた時かな?

現行作品は無理だというなら、東映特撮は今すぐ、過去作(特に名作と言われている作品)を有名どころのネット配信に全話まるごと永続的にあげておくことを私は強くおすすめする。そうだな、仮面ライダー龍騎と555とWとオーズとエクゼイドとビルド、デカレンジャーとゴーオンジャーとシンケンジャーとキョウリュウジャーとトッキュウジャーとルパパトあたりがいいかな……。これらをネット上のどこか、できればYoutubeかAmazon Primeで、いつでも全話見られるようにしておくことを本気でおすすめする。まじで。そうしないと、子どもたちがライダーと戦隊を知らなくなっていってしまう。

※これを書いた2021/2/28はまだそうでした。2022年3月からようやく、Amazon Primeに一部の仮面ライダーと戦隊シリーズが復活してきています。現行作品も、戦隊は2022年3月から、ライダーは2022年9月からようやく、Amazon Primeでアーカイブが配信されるようになりました。これは同業他社のウルトラマンのネット展開のフットワークの軽さと比べると明らかに遅く、コロナによる巣籠もり需要を逃してしまったように感じます。

2020年はこんな感じです。2021年はDX日輪刀(胡蝶しのぶ)がきっと私の中で一位になるでしょう。いや、煉獄さんのDX日輪刀が出るなら、煉獄さんかな。(2021/2/28文筆、2023/1/24 uploaded)