ねじ子web

医師兼漫画家 森皆ねじ子

ねじ子のLINEスタンプが発売されています

 

Berryz工房が来春をもって無期限活動停止というニュースを聞いて脳が無期限活動停止したねじ子です。こんにちは。夏のコミケの締切直前なのに、わたしはどうすることもできず、ただタワーレコードの嶺脇社長がTwitterで淡々と貼っているYoutubeの動画を順番に見ています。きっと社長も茫然自失状態なんだろうな。社長はさすがに趣味がいいですね、わたしのツボを突く動画ばかりです。あー、どうしよう。これは生きていけないわ。死んでいいかな?いや、だめだよね。

Berryz工房には、ずっとふざけていて欲しかった。いや、ずっとふざけていてくれていると思っていた。終身雇用が約束された公務員のように、福利厚生が充実した環境でゆるゆると活動し続けるものだと思ってた。そしてそれが唯一許される女性アイドルグループに、Berryz工房は成長していた。おこがましいけれど、我々ファンもそれだけの資金と環境を十分に与えているつもりだった。誰かが多少休んでも結婚しても妊娠しても、すべてを許容し、何かあればすぐに現場に駆けつけて全力でコールする屈強なファンを10年かけて作り上げたのだ。Berryz工房だけは、メンバーが変わらずとも永遠に続けることができると思っていた。その奇妙な安心感は、労働する少女たちの権利をないがしろにした昨今の女性アイドル界へのアンチテーゼにもなっていた。危険をかえりみずに握手をさせられ、服を脱がされ、ネットで罵詈雑言を浴びせられ、恋愛するという当然の権利を迫害され、精神をもちくずせばやすやすとクビになり、薄給で消費されて消えていく女工哀史のような存在ではなく、少女たちもきちんと成長して歌と踊りを安定して届けるプロ集団になりうると、Berryz工房は証明していた。それなのに。


あー。とりあえず活動停止の理由も、メンバーの今後も全然わからないので、次報を待つしかないよね。待てるかな。続報が来るまで死んでていいかな?いや、だめだよね。わかってるよ。でもさ、『Berryz工房なしでは生きていけない』って自分たちで散々言っておいて、Berryz工房がいなくなったらわたしたちどう生きていけばいいのよ。困ったな。『2004年3月3日 8人の幼い魔女達が、一生解けない魔法をかけた』んだよね?魔法かかっちゃってるよ、わたし。誰か解いてくれるっていうのよ。あなたたちにしか解けない魔法なんだよ。頼むから最後のコンサートは希望者全員が入れる大きい会場でやってくださいね。お願いよ。(2014/8/3)