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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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2008年・俺コンランキング

2008年・俺コンランキング

2008年・俺コンランキングはこれだ!!

※俺コンランキングとは2008年に見たり聞いたりしたものの中から勝手に自分内でランキングを付けたもの。独断と偏見に満ちている。しかも必ずしも2008年に発表されたものではなかったりもする。

2008年俺コンランキング・TV番組編。

第一位 ゴッドタン
テレビ東京の 深夜バラエティ。ローカルですみません。今、日本で一番面白いバラエティ番組だと思う。おぎやはぎも、劇団ひとりも、バナナマンも天才だね。数ある他民法 ゴールデンのどんなネタ見せ番組よりも、100倍作り込んだバラエティ番組だ。芸人がマジな歌(自分で作詞作曲)を披露し、それを聞いて審査員が笑って牛 乳を吹いたら演奏終了(もちろん狙いは牛乳を吹かせることなのだが、芸人本人達の望みは「あくまで最後まで歌を聴かせたいシンガーソングライター」という スタンス)の企画「芸人マジ歌選手権」はお勧め企画だ。自作ソングの勢いおよび、突拍子もなさ、歌詞の馬鹿馬鹿しさ、自意識のはみ出たシンガーソングライ ターへの揶揄は必見。キス我慢選手権・様々な方法で暗記を邪魔する「芸能界ストイック暗記王」・M女選手権など、他のどの企画も、それで一本の帯番組が作 れそうなくらいの面白さだ。くだらなくも勢いがある。ローソンからDVDも出てるので、暇で暇でしょうがない方は是非見てみて欲しい。

第二位 仮面ライダーキバ
二年連続・井上大先生脚本作品から。初めて平成ライダーをきちんと見た。とても興味深かった。最近のライダーは1シリーズの中にも仮面ライダーがたくさん いて、しかもそのライダー同士が戦ったりするんですぜ、大将。正直最初はどうなることかと思うトロトロ展開な上、現在と過去(親世代)が交差して展開し、 どちらも先が読めないという難解なストーリー仕立てに「お子さま達は完全に置いてけぼりを食らっているのでは?」「暗すぎる。これでは玩具もろくに売れな いだろう」「前時間帯番組・炎神戦体ゴーオンジャーのカラッとしたわかりやすい明るさを見習えよ」などと思っていたのだが、現代クイーンとキングが出てき てから途端に面白くなった。過去の親父と同じ危険(敵種族のクイーンと恋に落ちる)を冒してしまう主人公は、その呪縛から逃れることができるのか?ライ ダーだというのにあまりにやる気のない「引きこもり主人公の自分探し」でしかない戦いと、やる気にあふれる個性的な周囲の人間の対比も、現代のヒーローら しく良いと思う。(まぁ最近のライダーはずっと「ヘタレ主人公の成長物語」らしいけど。)バックトゥーザフューチャーぽいラストも、「過去と現在が交差す る」というキバの作品性に合っていて、良いオチだった。

第三位 復活したヤッターマン、第四位 銀魂、第五位 鹿男あおによし でした。

2008年俺コンランキング・音楽編。

第一位 タッキーの「愛・革命」
ミュージックステーションにて「まだこの曲は未完成です」と言いながらソロで登場したタッキー。Mステでジャニーズの子達が、出所のわからないその場限り のソロ曲を突然歌うのはよくあることなので、今回もそのうちの一環なんだろうと大して気にもとめずに眺めていた。しかしタッキーは違った。全身白のスーツ で、イントロからいきなりの語り。しかもマジ語り。しかもその内容が「女と男のLOVEと書いて革命と読みます。」読まない。絶対に、読まない。私は一気 に目を釘付けにされた。意味が分からないが、女を先に持ってくるところが何ともジャニーズ流だ。無駄に荘厳な(最大級の誉め言葉)演奏の中「そして、革命 時代…」と語り、一呼吸溜めた後、なおも真顔で語り出すタッキー。そのポエムがすごい。歌詞を書くといろいろ面倒くさそうなので詳しくはググッて欲しい が、一言一句、さっぱり意味が分からない。どうやったらこんな言葉が出てくるんだ?天才だろ。そしてクラシックの「革命」をアレンジした曲が始まる(それ 自体はよく使われているアイディアである。Berryz工房のジリリキテルとか)。踊り狂うタッキーおよび、ジュニアの皆さん。そしてタッキー、おもむろ にタクトを取り出し指揮を始める。なぜ。しかもその指揮が直立不同で堅く、微妙に下手な所がまたいい。タクトを持ったまま、矢に射られた聖セバスチャンの ような決めポーズで締め。すごい。何がすごいって、「作詞作曲・滝沢秀明」ってところがすごい。この壮絶なまでの気障を「上から無理矢理やらされている」 のだったら「あぁ可哀想だな、恥ずかしいだろうな」と心の底から同情するところだが、自らの発案とは。あぁむしろタッキーはノリノリに違いない、いや、そ うであってくれ。しかも冒頭の発言曰く「未完成」だと!これは完全版の完成が強く待たれるところだ。完成したら是非またテレビに出て欲しい。CDも出して 欲しい。その際には絶対に絶対に!冒頭の語りを外すとかいう、センスのないことだけはすんなよ!!…と、ジャニーズ事務所に熱烈ファンメールを書こうと 思っていたところだ(結局CD出ましたね、語り付きで。良かった良かった)。いやぁタキ翼は、その潜在能力に対して妙にはじけきれていない感があるのを常 々寂しく思っていたのだが、それは仕方のないことだったんだな。翼君の翼では、タッキーの上り詰めているこの高みには、到底ついていけないよ。翼君の翼、 折れちゃう。それは翼君が悪いんじゃなくて、常人の及ぶ気障さの範囲をタッキーは易々と飛び越え、余人が簡単に追求することなど出来ない「遙かな高み」 に、あの若さにして辿り着いてしまっているからだ。
ちなみにタッキー、ジャニーズ年越しライブにて、さらなる完成版を引っさげて我々の前に再びやってきてくれた。年越しライブなのに、なぜかタッキーだけ東京ドー ムじゃなくて、劇場からの中継で。どんなびっくりを我々に仕掛けてくれるのかしら!とワクワクして見ていたら、…飛んだね。ワイヤーで。イカロスの様な ポーズで。しかも水が噴射しまくる中を、斜めに切りながら飛び回るタッキー。びしょぬれ。正真正銘の「水も滴るいい男」。ねじ子正月の初笑いは完全にタッ キーに持って行かれたね。どんなお笑い番組よりも面白い。なぜなら、思いもかけない方向性のベクトルで一人飛び出している上に、そのメーターが誰も追いつ けないほどに振り切れてるから。しかも真剣と書いてマジだから。日本の歌謡曲の懐の広さを思い知ったねじ子であった。

第二位 (よみがえりし者からの)ブランニュー青学
テニスの王子様ミュージカルの曲から。相変わらず良曲ばかりで何よりだった。比嘉公園と氷帝公園を今年とカウントすると、こんな感じかと。ねじ子内テニ ミュランキング2008・1位(よみがえりし者→)ブランニュー青学、2位シンクロ、3位バイキングホーン、4位せっかち、5位The TOP でした。
今更だけれども、テニミュの四天宝寺編(4A)も見てきたぜー!四期青学は歌が上達していた、特に菊丸。カツゼツも随分と良くなっていた、特に菊丸。四 天王寺も皆、歌が上手(白石以外)。特記すべきは金太郎役の人だ。歌もダンスも上手だし、自由奔放なキャラを表現しきっていた。金太郎なんて原作では「あ まり人気のでなかったショボいキャラ」かのような印象だったのに、四天王寺で完全にセンターを晴れるだけの魅力的なキャラクターに仕上がっていた。一球対 決の演出も見事であった。ちなみに一番見所のある試合は、何故か「お笑いテニス」だった。小春が芸達者な玄人なんだ。群衆の中にいても、一人奇妙なクネク ネダンスで目を奪われる。
歌も演出も脚本も、昔のテニミュを思い出す、原点回帰の作品だと思う。学校ごとの校歌、1年トリオによる上質なイントロ、幕明け後の青学・他校・ゲストによる三重唱、 試合している本人以外(ゲスト含む)による無駄に壮大な(これまた最大級の誉め言葉)応援歌を試合中に歌い上げる、狂言回し役のfuturing校による アドリブ、日本刀の代わりにラケットを振り回す殺陣のような、無駄にかっこいい決めポーズ。そしてエンディングのFGKS。正直、前回の氷帝学園(全国) 編は、原作の内容が充実しすぎているゆえか、消化不良でやや駆け足の印象であった。キャストのあまりの多さに、観客であるこちら側が対応しきれていなかっ たこともあると思う。対して四天王寺編の原作は、「108式」「客席まで吹っ飛ばされ全身打撲のタカさん」「それを片手で受け止める阿久津」以外、完全に 忘れてしまったような(失礼)内容だったのだが、ミュージカルでは演出・脚本の上手さによって、圧倒的に面白く仕上がっていた。原作では正直笑えなかった ギャグも、ことごとく笑えた(千手観音とか)。原作より面白い、とさえ思った。パンフレットで許斐大先生が「この四天王寺編はミュージカルに対する挑戦状 のつもりで描いていた」とおっしゃっていたが、その挑戦は、見事に果たされたのではないだろうか。

第三位 リズム天国ゴールド「ウラオモテ」
今年のハロプロは面白くなかったなぁ。ハロプロができて以来、ハロプロが最も面白くない一年だった。寂しい。新しい展開もないし、テレビでハロプロの女の 子達ほとんど見られないし(里田矢口以外)曲も面白いものが少なくて、とても残念だ。あんなに優秀な素材を集めているのに、実にもったいない。今年のねじ 子内ハロプロランキングは1位リゾナントブルー、2位パパンケーキ、3位恋愛ライダー、4位雨の降らない星では愛せないだろう?、5位こんにちぱ(これは 正確には2007年か)。
ちなみにリズム天国ゴールドはリズムゲームとして最高に画期的だった上に、良曲ばかりだった。やはりつんくは天才である。モーニング娘。を作ってからとい うもの、私の浅はかな判断(例・オーディション時点での道重&久住の歌唱力は「正直落とすべきレベルだろ」と思っていた、等)を長期的に見れば完全に覆し てくれるような、類い希なる先見の明をもって、ことごとく正解を出すつんくを見ては「あぁつんくは天才だなぁ」と、もう100回は認識しているのだが。リ ズム天国ゴールドはつんくの天才ぶりを再々々々々々認識させられる素晴らしい作品だった。リゾナントブルーのつんく仮歌バージョンも最高だった。つんくが 歌うハロプロ曲デモ集を出してくれたら、一万円でも買うのになぁ。正直、最近のハロプロの面白くなさはつんくのせいではないんだろうなぁーと、素人考えな がら思う。

第4位 perfume アルバム「GAME」
作り込んだ良質な音楽と、斬新でアイディア溢れるダンスがあれば、口パクであろうとなんであろうと、ステージでアイドルは見事に光り輝くんだね。そんな ことを改めて認識した今年のperfumeの快進撃だった。どんなに人気者になってもアキハバラブからのファンは切り捨てない方が良いと思う。ちなみにね じ子の好みのタイプは当然のようにあ~ちゃんだ。(2009.4.10)