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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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ゴーバスターズとシアターGロッソで僕と握手!

1年間楽しんでいたルパパトが終わった。私は東映特撮ファンクラブ(TTFC)を2月で解約するためにTTFC限定動画を見まくっている。

「東映特撮ファントーク特別版 スーパー戦隊!大!イエロー戦士祭り【PART3】」にて、マジイエロー兼ビートバスターの松本寛也さんが『特命戦隊ゴーバスターズ』と小林靖子にゃんについて語っていた。見られない人のために、以下概要を書き出す。

※ここから先は『特命戦隊ゴーバスターズ』のネタバレが含まれます。『ゴーバスターズ』見てない方は、全編視聴してから読んでください。※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「靖子にゃんはよくダークサイドに落ちるとか闇落ちとか言われてますけど、ぼくはそれはいいと思っていて、しっかり残さなきゃいけないものを入れられる人ってあんまりいない。」

――中略――

「僕が死ぬんです、最後。ゴーバスターズって。それって残酷じゃないですか。でもその死っていう体験だったりとか、――僕たちがやってたのは震災がモチーフって言われているんですけど――そういう後世に残さなければいけないもの、レガシーとか遺産は、しっかりと何かに刻んでいかなければいけない。僕はあのときゴーバスターズをやって、いろいろ言われましたよ、ゴーバスターズって。だけどそれはそれですごくいいと思います。議題にも出るし、子供たちが、もしかしたら大人になって見て、ああこういうお話だったんだって振り返れる。あのとき震災があって、だからこういう戦隊があって、だからあの人は死んで、この人たちは生きている。っていうものがしっかりと描ける脚本家さんってなかなかいないんじゃないかなって思います。だから僕は(靖子にゃんが)好きです。」

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私は動画を視聴しながら泣いていた。7年越しに陣さんがそう言ってくれて嬉しかった。

確かに私の周囲(当時子供と一緒に戦隊を見ていた親御さんたち)は、陣さんが帰ってこない最終回に驚いていた。でもそれは当時、確かに必要な描写だった。ゴーバスターズは震災で親や大切な人が「本当に」いなくなった子ども達のために作られた物語である。ここで陣さんやゴーバスターズの家族だけが帰ってきたら、それはあまりに「都合がよすぎる」。視聴者の子ども達が「自分と違いすぎる」「これは絵空事の物語だ」と思ってしまう。だって、津波で死んだ人たちは帰ってこないのだ。絶対に帰ってこないんだよ。帰ってこないのが、あれを見ていた当時の子ども達の、残酷で圧倒的で逃れられない現実だった。子ども達の大切な人は帰ってこないのに、陣さんだけが帰ってきたらおかしいでしょ。「大切な人は帰ってこないけど、それでも残された人間は今自分にできることをやり、周囲と助け合いながら生きていく。それしかないし、それでいいんだ」これがゴーバスターズという物語の全体を貫くメッセージであり、あの時代にそった正しい「希望」の物語だった。

ゴーバスターズの結末は賛否両論だったと松本さんは言う。おもちゃの売上が低かったこともあり、まるで子どもに人気がなかったかのように(ネットでは)揶揄もされた。そんなことはない、現実の子ども達に確認もしないで勝手なことを言うなよ。うちの子も周囲の子もがっつり最後まで見てたよ。最終回に驚いていたよ。私はあの誠実さが好きだったし、あの誠実さに救われていたよ。人は死ぬんだよ、突然死ぬんだよ。生き返りゃしないんだよ。医者をしててもその圧倒的な不条理に驚くことがあるよ。それでも残された人たちの人生は続くんだよ。忘れたり忘れなかったり時々思い出して泣いたりしながら生きていくんだよ。それは確かに、当時の子どもの現実だったんだよ。

あのころ東日本に住んでいたら、震災で死んだ人、財産や大切なものを失った人、これまでと同じ生活を続けられなくなった人が周囲に必ずいた。直接の知り合いにはいなくても、知り合いの知り合いならば被害にあった人が必ずいた。原発は爆発し、どうなるかわからなかった。そそくさと西日本へ旅立つ知人もいた。それでも私は今ここで、復興を目指して生きていくしかない。自分の仕事を続けるしかない。それはつらい日々だった。希望は少なかった。自分の行動が正しいかもわからなかった。でも、助け合って生きていくしかなかった。当時まだ東日本がどうなるかわからない状態で、それでも乳飲み子を抱えて東京で生きていくしかない状況の中で、私はあの物語の誠実さに救われていた。静かに森を守り続けるスタッグバスターの姿に自らを重ねた。

あれから7年経って、陣さん(の役者さん)があの結末を肯定してくれて本当によかった。ありがとう。嬉しかった。私は当時不勉強だったから、浅はかにも「この役者さんは死ぬことに納得していたんだろうか?」と思ってしまったんだ。最終回の後にゴーバスターズのシアターGロッソ素顔の戦士公演に行ったときも、死んだはずの陣さんが普通に出てきて「え?」と思ったし、陣さんも「なんか帰ってこれちゃった!」とか言っちゃって、エンディングのダンスも普通に踊ってて、「なんじゃこりゃ?」と思ってたんだ。「さすがに役者さんもやりにくいんじゃない?大丈夫?」と不安に感じていたんだ。ちなみに当時のGロッソは第5弾の本人公演でも当日券があった。後方席は埋まっていなかった。底抜けに明るく楽しいキョウリュウジャーの放送がすでに始まり、大人気を博していた。あの当時のGロッソは決して楽しいだけの空間ではなかったと思う。それでも私はゴーバスターズに勇気づけられていたし、彼らを長く見ていたかった。ルパンレンジャーVSパトレンジャーGロッソ第5弾素顔の戦士公演で満員の客席を見ながら、私はあのときの震災を引きずった乾いた空気を一人思い出していた。

イエローバスターちゃんが『ラブライブ!サンシャイン』声優として東京ドームに帰ってきて、満員の観客の前でGロッソに触れてくれたことも嬉しかったなぁ。心が温まる。二人ともありがとう。私は今でもゴーバスターズの誠実さが好きだよ。
(2019.3.22 結局TTFCは「ルパパトヒロイン旅」の後編が見たかったから解約できなかった。おのれ東映)

あ、ルパパト第5弾素顔の戦士公演は最高でした。以下覚書。

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■Gロッソ施設 覚え書き(2019/3/2現在)

・ポップコーンバケツは前回のやつを持っていけば中身だけ詰めてもらえる、300円
・ルパパトポップコーンバケツ完売、リュウソウ購入可能
・地下の遊び場(スーパー戦隊ランド)は3/10までルパパト、3/21からリュウソウジャー
・↑サプライズでパトレン1号(ガワ)が握手しに来てくれたよ!子供たち大喜び。
・隣のゲーセンのカードダスはまだルパパト。てれびくん4月号によるとリュウソウジャーデータカードダスは2019/3/14から稼働

■Gロッソ第5弾 本編覚え書き こちらはうろ覚え(2019/03/02 10:20の回)

・OP完全再現のナレーション → 中央で振り返るアルセーヌ → OPに乗って乱闘しながら本人たち登場 → 一人ひとりスポットライト当たってポーダマン相手に生身アクション。最高。
・ギャングラーにほんの少しの憎しみの心を最大限に増幅されるコレクションを使われ、操られるノエル
・「人間が憎い!幼い僕に手を差し伸べてくれる人間などいなかった!」ノエル渾身の叫び
・ノエルの人生が丁寧に描写される初の機会である
・快盗の正体がバレた後の設定。快盗衣装と警察制服、ルパンレッドとパトレン1号で「魁利くん」「圭ちゃん」と呼び合う夢の世界
・「ほんとは快盗のこと恨んでるんだろ?」突然の魁利節が圭一郎に炸裂
・快盗への憎しみを増幅する攻撃を受ける圭一郎
・圭一郎が魁利くんを攻撃しだす → 「俺一人に集中攻撃かよ」 → サイクロンダイヤルファイターを魁利くんから奪う → ただ一人、瞬時に圭一郎があやつられている「ふりをしている」と理解する魁利くん → デストラを押さえつける魁利くん → 金庫を開ける圭一郎 → 最高
・圭一郎「恨むべきは快盗ではない、この状況を作ったギャングラーだ」と断言
・咲也が相変わらず初美花大好きで何より。透真「快盗だと知ってもですか」咲也「快盗だとしても、初美花ちゃんは普通の女の子」透真「それを聞いたら、初美花も…」ここで空気を読めないギャングラー襲来
・ザミーゴに凍らされ地面に落ちるギャングラーを見た咲也、「コレクション入ってないよね?」と透真に確認する。やさしい。
・「魁利くん、快盗をやめるつもりはないのか」「まーた説教かよ」「説教ではない、助言だ。……真っ当に生きたいとは思わないのか。人生はやり直せるんだ」←ここ好き。快盗だとわかっても魁利くんの将来を案じてあげる圭一郎えらい
・透真は初美花ちゃんが氷漬けにされたのを見て「よくも初美花までも!」と叫び、飛び出して氷漬けにされる。透真の父性描写すき。
・自らの気合と子ども達の声でザミーゴの氷を(ある程度)溶かす圭一郎
・ザミーゴ「ほんと暑苦しい男だぜ」魁利「ほんとにな、でもそれが時には希望の光になったりして」ん?まじで?
・凍らされてしまった仲間と警察を助けるために「みんなの力を貸してほしい!俺がせーの!って言ったら『がんばれ!』って叫んでくれ!!」と客席の子供に向かって叫ぶ魁利くん。ヒーローショーのお約束。舞台中央で叫ぶ姿はロックスターのようだ。君もやればできるんだね。
・そう思っていたらちゃんとザミーゴが突っ込んでくれる。いい脚本だ!ザミーゴに「寒いことすんなよ。お前はそんなやつじゃないだろ」と揶揄された魁利くん「暑苦しいのが近くにいるからな。俺の心も溶かしたのかもな」ん?今なんて言った?これは私の夢か?観客の妄想を具現化するコレクションか?
・子ども達の応援で氷が溶けたあと咲也と初美花が「いえーい!」といいながらハイタッチしてる!わー!これは私の夢だー!!いよいよ白昼夢が見られるようになったぞー!
・氷から解放された圭一郎が、魁利に手を差し伸べる。ちょっとためらった後にその手を取って階段を登る魁利。まさに「見たいもの見せましょう」状態。
・ザミーゴと乱闘中、階段落ちするルパンレッド。ちなみに中の人はTV本編と同じ浅井宏輔さんらしい。さすがの迫力。通路席の女性の肩を借りながらルパンレッドは立ち上がる。その女性客は悶絶のち昇天していて可愛かった。
・スーパールパンエックスのことはいつも少し複雑な気持ちで見ていたんだけど、ルパントリコロールとパトレンU号の間で一列に並んでいると、画面が締まってとてもいいな。強そう。
・「初美花ちゃん、快盗なんてもうやめようよ!」な咲也、素晴らしい。初美花を危険な目に合わせたくないんだね……。それに対して「ルパンコレクションを集め終わるまでは……ごめんなさい!」と答える初美花。
・ラストのノエルの描写が最高。「ノエル!お前快盗なんだから警察足止めしておけよ!」「ノエル!お前は警察なんだから我々に協力しろ!」と言いながら逃げる快盗、追う警察、舞台から去っていく6人→「オーララー、結局こうなっちゃうんだねぇ。でも僕は快盗と警察、どちらかなんて選べないよ。だって僕は、魁利くんたちも圭一郎くんたちも、どちらも大好きだからね。(高所にいるアルセーヌを見ながら)ね、アルセーヌ」ノエル「きみはどっちを応援する?」ノエル一礼、幕が閉じる。
・本編最終回で描かれなかったその後のノエルの心境を描いてくれてよかった。
・映像化希望。せめてオープニングだけでも!画質悪くてもYoutubeでもTTFCでもいいから!最終回のノエルの消化不良に困惑している視聴者のためにも!
・金子香緒里さんの脚本最高
・映像化が無理ならどこかの本に第5弾の脚本をそのまま収録して下さい。よろしくお願いします。あ、できれば第2弾の脚本もお願いします。これはただ個人的に私が見逃したから。

■Gロッソキャスト うろ覚え

・初美花とつかさの太もも黒タイツだけでチケット代は出る(最重要項目)
・第4弾で快盗の皆さんは仮面を付けており顔が見えない場面が多々あったのですが、第5弾は全員正体バレ後のため、顔出し快盗衣装で最高に美麗でした。魁利くんと透真くんと初美花ちゃんの美しいお顔がよく見えました。
・工藤は少し髪が伸びた、髪色も本編時より黒に近くなった
・魁利くんウィッグなんだろうけど違和感なし
・ノエルもちょっと髪色が暗くなったけど違和感なし
・圭一郎が小顔でスタイル良すぎてびびった
・ノエルのアクションには大人も子供も男も女も観客全員がきゃっきゃきゃっきゃと喜んでいた。ノエルが回るたびにみんな大騒ぎで拍手喝采。
・全員イケメンで全員かわいい
・ていうかみんな皮膚が発光して見えた。表面がつるつるで淡く光っていた。なぜ?皮膚にLEDが埋め込まれているの?
・最後にリュウソウレッドが来てくれた。魁利「今日はこのあと、素敵なゲストを招いています。(なんか圭一郎に横から言われる)あ、ゲストじゃなくて俺たちとともに戦う戦士です」からのリュウソウレッド登場。元気に飛びはねてた。レッド二人はそれを見ながら「元気ですね」「元気だね」といい花火回のラストのように微笑み合っていた。「ルパパトロスの皆さんもいると思いますが、まだまだルパパトもいろいろ続いていくんで。今後ともよろしくお願いします。」と魁利くんが言ってくれて、会場はやさしさに包まれた。
・ちなみに最終回放送直後の回も行ってました。客席のテンションがものすごい高かった。圭一郎「皆さん、最終回見てきましたか?見てきたひとー!(\はーい/)あれを見て、よく来られましたね!」魁利「帰ったらまた録画見てね!」工藤はちょっと泣いていた。